「児童文学」

最首悟著/1987年1月〜12月・『読書人』掲載

引用・転載の際はご一報ください


もくじ

1月 切札は「子どもへの畏れ」――透明なドームの中の子どもたち

2月 児童を対象として見ない視点――サジを投げた状態からの出発(北村正裕)

3月 子どものときの大人への思い(谷崎潤一郎「小さな王国」)/思いがけない作品がいろいろと(井上ひさし編『児童文学名作全集』)

4月 子供への大人の願望の結晶化――児童文学書=子どもの本という図式(今村葦子『あほうどり』)

5月 児童文学の第一水準・第二水準――カニグズバーグの作品から考える

6月 児童文学は倒錯で成立している――緊張した危うさの上に成立(安房直子「べにばらホテルのお客」)

7月 家族という人間関係の荒廃――大人にとって必要な“児童文学”(上野瞭『砂の上のロビンソン』)

8月 読者は大人の<子供もの>――子どもを弱者とする人間観からは…

9月 小学校時代までの自分史――資質で定義すると深沢七郎は児童文学作家(スズキコージ『てのひらほくろ村』)

10月 疑いようがない岩瀬の誠実さ――溶解しきらない自己分析的な「あたし」(岩瀬成子『あたしをさがして』)

11月 不可能存在を予告する題名――“ふつう”になることが皆の“安心”(皿海達也『海のメダカ』)

12月 “不作の年”で済ませられるか――児童文学を読む大人同士の情報交換


もどる